地味な私が恋したヒト



そう思ったのはいいけど……。

 
私はお題の紙を引いて呆然とした。


ど、どうしよう……。


だってそこに書かれてたのは


“好きな異性”


だったから……。


好きな人、だったら性別を問わないし舞香を連れて行けたのに……。


何で、私がよりによってこのお題をひいてしまったんだろう。


こうして私が考え込んでる間にも他のクラスの人はゴールしていく。


このままじゃ、追いつかれちゃうよ……。


私、どうすれば……。


だって“好きな異性”なんて1人しか浮かばないよ……。 


それ以前に私、喋れる男子とか誰1人いないし……。


こうなったらもう答えはひとつしかない。


……桜井くんを呼びに行こう。


私のせいでクラスのみんなに迷惑が掛かるなんて嫌だ。


だったら、私が頑張るしかない……。