地味な私が恋したヒト



桜井くんのことを好きって思う反面、諦めなきゃって思っている気持ち。


「そんなの決まってるじゃない。ゆらから桜井に告白するの」


え……っ?


私から告白……?


そんなの……


「そんなの無理だよ……。だって私、振られるんだよ?」


あんなこと言われたのにわざわざ告白するなんて、そんなことできない。


桜井くんに直接、一昨日みたいなことを言われるのが怖いよ。


「たとえ振られたとしても、言うことに意味があるんだよ。このまま気持ちを伝えないで桜井のこと引きずってるつもり?」


舞香の言う通りだよ。


だけど、私には勇気がない。


「厳しいこと言われるかもしれない。でもそうやって気にしてたらゆらはいつまでたっても前に進めないよ。振られたから何?そんなのあたしがいるじゃん。あたしが慰めてあげるから」


「舞香……」


私、いつも逃げてたんだと思う。


過去を引きずって、自分なんか……ってずっと思って。


私は桜井くんのことが好きだから。


だからちゃんと気持ちを伝えて……それで振られて、キッパリ諦めよう。


「私、桜井くんにちゃんと気持ちを伝えるよ……」


そうは決めたもののいつ言えばいいのだろう。