地味な私が恋したヒト



今日の桜井くんかっこよかったなぁ……。


自分の教室に戻りながら、今日の体育祭の合同練習のことを思い返す。


桜井くんは運動神経も抜群だから当然、リレーの選手に選ばれていた。


しかも、アンカー。


桜井くんにバトンが渡るまでは3位だったのに、桜井くんにバトンが渡った瞬間、何か空気が変わった気がして。


桜井くんは1人、2人……とどんどん抜かして行き、最後には1位でゴールした。


練習なのに全力で走る桜井くんは誰よりもかっこよかった。


それと同時に好きだなぁって強く思った。


明後日の体育祭、楽しみだなぁ。


そんなことを思いながら、桜井くんの教室の前を通った時、中から声が聞こえた。


こんな時間なのにまだ誰かいるんだ?


私はそのまま通り過ぎて自分の教室まで戻ろうとした。


だけど……。


「和真、あれからアイツとはどうなの?」


和真……?