あの子は私が桜井くんの彼女だって知ってるのかな……。
だから私のこと睨んだのかも……。
でも、桜井くんは私のことなんて何とも思ってないから私を目の敵にする必要なんてないと思うけどな……。
私はその子から目を逸らして、二人の前を目を合わさずに通り過ぎようとした。
だけど桜井くんの前を通ろうとしたときに桜井くんに腕を掴まれた。
「桜井くん……っ?」
な、なんだろう……。
「和真?なにしてんのぉ〜?そんな地味な女の腕なんか掴んで」
女の子の視線が痛いほど伝わってくる。
だから女の子の方を見るのが怖い。
「俺コイツに話あるからアヤは先教室行ってろ」
桜井くんの言葉に不満そうな顔をしてたけど、アヤさんは教室へと向かったみたいだった。

