「お前、なんかあったのか?」
いつの間にか泣きそうになっていた私を心配そうに見る雄斗。
私ってば何感情的になってんだろ……。
それに……桜井くんと雄斗を比べるなんて、最低だ。
こんな私、桜井くんの隣にいる資格ないよね……。
わかってるけど自分から離れることなんてできなくて。
それに私と桜井くんが付き合っているのかどうかも微妙なところだ。
もしかして付き合ってるって思ってるのは私だけ?
「ごっ、ごめん!なんでもないの」
咄嗟にごまかす私を見て雄斗は何かを察したんだろう。
それ以上は何も言わなかった。
代わりに私の頭をポンポンと撫でてくれた。
その瞬間、心が温かくなってまた泣きそうになった。

