地味な私が恋したヒト



校門を出てしばらくしたところで、桜井くんは急に立ち止まった。



不思議に思って桜井くんを見つめると、



「お前さ、何で俺の後ろ歩くわけ?」


私の方を振り向いて、そう言われた。


なんで、って。


「桜井くんの隣なんて、緊張しすぎて歩けないよ……」


男子と帰ることなんて今までなかったし、隣に並ぶほど近づいたこともないんだから。


「これから慣れてけばいいだろ」


そう言うと、桜井くんは私の手を掴んで自分の隣まで引っ張った。


初めて触れた桜井くんの手。


そんな些細なことでもドキドキが止まらない。


それから、桜井くんは私の手を離すことなく、ギュッと握ってきた。


……私、おかしい。


桜井くん手を繋いでいるだけで、こんなにドキドキするなんて。


なんだか嬉しくなった私は桜井くんの手をギュッと握り返した。


その時、桜井くんも嬉しそうにしてたのはきっと気のせいだよね。