『…じゃあ、頑張った加地くんに少しだけいいこと教えてあげるよ』

呆れたようにため息をついた山田。

つーか、こいつもう高野のことはいいのか。

あの居酒屋で何話したのか知らないけど、そんなに簡単にあきらめるような男じゃないことは何となく分かってる。

だからこそ、こんな風に後押しされてるのが少し不思議なわけで。


『昨日高野すげー酔ってたじゃん?』

「鬱陶しいくらいな」

『多分2時間くらい飲んでたんだけど、その間ずっと加地くんの話してたよ』

「……は?」

…何これ俺が恥ずかしいんだけど。

2時間俺の話?

よくそんな話すことあったな。つーかお前どんだけ俺のこと好きなのマジで。


『一緒にいて一番自分が自分でいられる、って。その上好きな人ってなったら、もうあの人以外いないと思う。ってさ』

…酔っ払って何言ってんのお前。

バカ。俺に言えよ。