容姿はいい。

仕事も早い。

明るいし、まあ元気だし。

デスクが隣で、仲良くなって、話すようになって、気づいた。


「目、死んでますけどー」

「…うるせ、死んでねーわ」


容姿に伴ってない性格。

中身がすごく残念で、どうしようもない干物女。

おまけにガサツ。

この容姿を持って生まれてきたのにそれをぶち壊すこの残念な中身に、逆に清々しささえ感じる。


「加地くんさー、相変わらず心配になるくらい死んだ目してるときあるよね。悩み事があるならお姉さんに言ってみなさいな」

「おっさんの間違いだろ」

「おいこら、誰がおっさんだよ」

「お前のどこら辺がお姉さんなんだよ」


こんな風にまあ、お互いにパソコンを操作しながら小さい喧嘩をすることはしょっちゅうで。何ならこれは今日一回目じゃない。

ただ、そんな喧嘩をするのもこいつだけで、ある意味一番仲良いってことなのかもしれない。