さっきまで前を向いて聞いていた章吾が 少し驚いた顔をしてこっちを向いた。 「お前……気付いたんか。自分の気持ち」 「へ…?」 自分の気持ち…って、凛先輩の事やんね。 静かに頷いた。 「そうか……」 「だから、あたし……!!」 章吾には答えられへん そう言おうとした時だった。 「やっと気付いたんか!」 「へ?」 どうゆう事? 章吾は、ぺろっと舌を出して生意気な顔を作った。 「お前が全然気付かんから、ちょっと困らせたろ思っただけや!!」 「は!?」