慌てて章吾の胸ぐらを掴んでいる手を離した。 うわーー… なんか今更になって視線が痛い…。 気まずい空気になり、あたしは下を向いた。 「佑。俺、先戻っとくわ」 そんなあたしにお構いなしに、先輩は自分の教室に戻ってしまった。 「凪。先戻っとくぞ」 章吾もそそくさと行ってしまう。 なんだそれ………。 みんな自分勝手だし…。 も~…………。 お兄ちゃんと2人取り残されたあたし。 「はぁ。ガキくさ。凪、なんかあったんか?」