ユイのアホ~…。 ちゃんと考えてるっつーの。 自分の気持ちなんやからわかってるし…。 1人ブツブツ言いながら廊下を歩いていると ――ドンッ ベタに人とぶつかってしまった。 「……っ痛!!」 一昔前の少女漫画なら、ここで恋の一つや二つ芽生えるんだろうけど。 鼻を激突したあたしは憎しみを込めて相手を睨んだ のだが……。 「……章吾」 顔を上げると少し固まった章吾が居て。 いや、同じクラスだから朝から会ってるんだけど。 全然顔合わせてなかったし、こっちまで気まずい雰囲気になる。