慌てて離れようとしても、章吾があたしの手を握ったまま離してくれない。
何してんの章吾!？
｢……もうええわ｣
ため息をつきながら先輩は言った。
｢別に俺には関係ないもんなぁ。ほんじゃあな、お２人さん。ずっとくっついとけや｣
手を振って先輩はどこかへ行ってしまう。
｢ちょっと!!章吾！何で離してくれへんかったん!？｣
さっきよりも握る力が弱くなった章吾の手を振りほどいた。
｢先輩誤解してるかもしれへんやん｣
なぜか先輩が誤解していたらどうしようということしか頭になかった。
なぜだかショックだったんだ。
