あたしが想像していた顔とは見事に違っていた。
またものすごい恐い顔で睨まれると思っていたのに。
先輩はきょとーんとした顔で固まっていた。
「せ…先輩?」
先輩の目の前で手を振ってみる。
「……ぬわ!な、なんやねん!!凪太郎のくせに!!ジュース買ってこい!!」
「あ、じゃあ俺も」
お兄ちゃんは、まだ笑いながら言った。
お兄ちゃんも凛先輩もおかしいでしょ…。
特に凛先輩。
なんか挙動不審だし。
いつもと態度が違いすぎるし。
「…わ、わかりました」
あたしはジュースを買いに走った。
その時は知らなかった。
あたしが行った後のお兄ちゃんと凛先輩の会話をー……。


