階段を降りてゆく章吾を見つめながら首を傾げた。
まぁ、いっか。
また明日聞こう。
そう思い、凛先輩の方に顔を向けた。
「…凛先輩?」
先輩はさっき章吾が降りて行った方向をジッと見ていた。
瞳が恐いんですけど…。
何だ。この空気…?
「先輩?凛先輩!!」
「ぅな!!?あぁごめんごめん。何?」
「何って!先輩が呼んだんでしょ?」
今日の先輩おかしい…。
まぁおかしいのはいつもなんだけど。
「なぁ、アイツって?」
「アイツ??」
アイツって誰?
アイツなんて言われても全員アイツだっつーの。
「さっきのヤツ」
ちょっとブスッとした顔で言う先輩。
「あぁ章吾ですか?あたしの幼なじみなんです。…でも、それがどうかしたんですか?」
「いや、なんもない…」
そう言って先輩はどこかに行ってしまった。


