「まだ帰ってなかったんか?」
この荷物を見て嫌みったらしに言う章吾。
「うっさいわ!!」
あたしが膨れっ面で言ったからなのか、章吾はノートを半分とプリントを持ってくれた。
「へ?ええん?部活は?」
「今休憩中やから。しゃーないから持ったるわ」
いつもだったら嫌みでも言ってどこかに行ってしまうのに。
何か良いことでもあったんだろうか?
「何か良いことあったん?あっ、久しぶりにシュート入ったとか?」
「俺のサッカーしとる姿見たことあるんか?ええんやで~?このノート置いていっても」
よいしょとノートを床に置こうとする章吾。
「あーっ!!ごめんなさい!サッカーしてる章吾くん、カッコイイなぁ~♪惚れてまうわ!!」
あたしがそう言うと章吾は、そうやろ~?と笑顔で階段を二段飛ばしして上がった。
章吾は褒めると伸びるタイプ。


