指先からのメッセージ



「俺、彼女いるんだ」

分かってたけど実際に言われると、胸がズキっと痛む。

「楠木さん、ですよね。わたし知ってます」

店長の目を見ないように俯きながら言うと

「うん、亜香里。でもね
 亜香里とはキッチリ終わりにする」

「え?」

「そしたら、ひなちゃんの気持ちにしっかり応える。俺はひなちゃんが好きだよ」

店長はそう言うと、わたしをそっと抱き寄せた

夢じゃないよね…?
信じられなくて。

わたしは店長を見上げた

「…店長?」

「また固まってる、」

ふふっと笑いながら、ゆっくりと顔を近付けてきた

まさか?!と思いながら目をぎゅっと瞑ると

おでこをコツンとぶつけてきた

「っえ?」

「ちゅうはまーだ、」

とにやっとしながら言った

店長のぶつかったおでこをおさえて

夢じゃないと実感した




わたしは店長と両想いになれた