「さてさて、
クレアは何処に
薔薇印があるのかなー?」

クランがそう言うと、
アキがすかさすツッコミを入れる。

「おい、お前変態みたいになってるからやめとけ。

クレア、紋章を授かった時に
何処か違和感みたいなのを感じなかったか?」

シルバーとアリス、コウはソファーに座り紅茶を飲みながら見ている。

(違和感…)

『あっ』

クロエは咄嗟に
眼帯をしている左目を抑える。

「そこか…、その眼帯外してくれないか?」

『これは…』

イズミが外してはいけないって言っていた。

「大丈夫だよクレア。ここにはわけアリの子しかいない。

俺は有名な神官の息子でそこが嫌で逃げ出してきた。

アキは、朱雀族の隠し子で殺されかかったことがある。

シルバーは、存在してはならぬ魔獣と人の子。

コウは、かつて世間を騒がせた家族を恨みすべてに復讐しようとした連続殺人鬼。

アリスは、この世界の反対側にある国の元お姫様で。ある日、その国は今の国王により滅ぼされた。唯一の生き残りなんだ。



0は、必ず秘密を守る。」

全員がクロエを見ている。まるで、これが入隊試験かのようだ。

(信じたい。)

クロエはそう思い、
眼帯を外して、
流していた前髪をかき揚げた。

紅と碧の瞳。まるですべてを見透かしているような、両目が異なる不思議な瞳だ。

そこにいる全員の動きが止まる。

『私は、天羽です。

エミリア宮殿にずっと眠っていました。
そして、目覚めて間もなくイズミに出会いました。

私はそこで5ヶ月魔法を習い、魔法学校へ入学し大会で優勝してここに立っています。』

クロエはすべてを話すと、固くまぶたを閉じた。これからどうされるのか、何を言われるのか。不安だった。

「エミリアの姫君…。」

クランは、目を大きく開けるとクロエの背を優しく叩いた。

「そうか…ありがとう。
秘密を話してくれて。
このことは、0だけの秘密だ。

いいな?」

「「「「了解」」」」

全員が口を揃えていう。
クロエは瞳に涙を溜めた。

「君はどこまでしってるの?」

コウは、クロエに突発的に言う。

『天羽だけです。』

クランは深刻そうな顔をして顎を指で触る。

「そうか…

クレア

決して神官には近づくな。

いいな?」

神官…

自分になにか関係があるのかとクレアは心の中で呟く。

やけに真剣なクランの表情を見て頷くしかなかった。

『はい』