太陽と月の後継者


一方ライト達は必死に抗戦をしていた。

「斬っても切ってもきりが無い!!!」

「いや、魔獣の数はかなり減っている。」

段々苛立ってきたヨウテスに更に追い打ちをかける出来事が起こる。

「シルバー?」

アリスの可愛らしい声が少し焦りを帯びている。

ライトやシスティスも戦闘を続けながらもその方向を見つめた。

「あれは...!」

蓮が焦ったように言う。

目の前に姿が変貌したシルバーが現れたのだ。

「とうとう来てしまったのか...。」

大人びた声が聞こえると、周りがざわついた。

ヒルダも少し驚いている。

「彼のことは私に任せなさい。

六大貴族の英雄達よ。
お前達にはまだまだ隠されている力がある。
それはまだ使っていないだろう。

お前達の未来の栄光を願っている。」

最後の別れのように言ったイズミはシルバーの元へ行った。

「英雄達...ね。」

蓮は大きく綺麗な矛を振り回した。

「ー水波ー」

突如何かが崩れるような音が響く、
その光景を見た者は固まった。

「大波だ...」

「波が来るぞー!!!!」

蓮は波を呼び出した。

海から、川から、湖から。

戦場を覆い尽くし街は水の中に沈んだ。

魔獣は泳げないのか溺れている。

「瑞っ!」

蓮が瑞の名前を呼ぶと、彼は頷いて手を水についた。

「ー氷結ー」

街全体を飲み込んだ水を更に凍らせて魔獣達は凍ってしまった。

炎が消えてその場は一気に涼しくなる。

戦士達は歓声を上げた。

「「水に溺れろ。」」

普段穏やかな二人だが戦闘となると別人格が出てくる。

味方になると心強いが敵になると悪魔のよう。

ひとりでも千人力だが二人が合わさるとその倍だ。

「流石だな。」

システィスが笑って言うと蓮は片方の口角を上げた。

「私達が愛する自然を破壊するからよ。」

驚異の愛の力だとヨウテスとシスティスは苦笑いした。

ほとんどは凍死したが、力の強い魔獣はほんの数体氷から這い上がってくる。

それにいち早く反応したアリスは糸を巧みに使い縛り上げそのまま引いた。

糸が体を裂く音が響く。

残酷だが強い。

「ぼうっとしないで。」

近くの襲われかけた者達に呼びかけたアリスはクロエの方向を見た。