静まりかえった戦場。
神官達は退避して今はその場でけが人達の手当てをしていた。
「リオ...リオ...ッ」
ビアンカは浅い呼吸を繰り返すリオの手をそっと握っていた。
「ごめんね、俺は此処で最後まで見てるから。」
建物の陰に寝かせているリオは悔しそうに笑う。
「ありがとう...私を助けようとしてこんな大けが...。」
「昔みたいなことが起こったら、もう二度と立ち直れないから...。」
苦笑いをして少し顔を歪めた。
傷の痛みが激しいらしい。
「やっぱり、一度本部に戻って休んだ方が...」
「クロエは戦ってるんだ親友が見届けなくてどうするの。」
ビアンカはこれでもかと言うほど眉を下げていた。
「姉さん、動きはまだ見られないとの報告です。」
瑞が部下の報告を受けて蓮にそれを伝える。
「そう...ライト、もし朱雀族があの計画を実行するのだとすれば...神官はどう動くのかしら。」
「きっと朱雀族との間にもうすぐ亀裂が入るよ。ヨウテス、君はまだ動けるかい?」
ビオラに腹回りに包帯を巻き付けてもらいヨウテスは徐々に回復をしていた。
「はい!」
ライトは微笑むとシスティスに頼んだ。
「幻人族の力で傷ついた者達の治療を頼みたいんだ。」
ふたりは立ち上がると頷いて、
システィスは杖を、ヨウテスは剣を地に強く刺した。
「「ー地の加護ー」」
風の加護と同様、
地の加護は幻人族しか使えない魔法だ。
そして、加護を受けれる者は味方のみで、
地の恵みの究極の治療効力をもつ魔法だ。
彼らは味方の全てにその魔法を使い傷を癒やしている。
「クロエ、大丈夫かな....。」
「彼女は人一倍責任感が強い子だからね。
だが、信じなきゃ何も始まらないよ。」
落ち込むビオラを兄のライトが宥める。
そんな時だった。

