それから約一ヶ月。
リオ達は飛躍的な成長を遂げた。並の上級魔法使い以上の力を手に入れたのだ。
クロエはクランに呼ばれて会議室へ顔を出した。
『話って...何でしょうか?』
珍しくそこにはクランしかいない。何時もと雰囲気の違う彼に身を引き締めた。
『誰か...二人程いますよね。』
クランは笑った。
「クロエ、本当に強くなったね。
いいよ、出てきなさい。」
瞬きするほどの間に目の前に二人の男女が現れた。
二人はクロエに跪き頭を垂れている。
「金髪の彼女は大空の守護獣、キルア。
赤髪の彼は太陽の守護獣、エル。
キルアはペガサス、エルは不死鳥でクロエが愛した神獣達だ。
君を助けたいと言っている。」
『キルア...エル』
聞き覚えのある名前にクロエは何故か涙を流した。
『ずっと、私を見守ってくれていたの?』
静かに二人は顔を上げ頷いた。
煌めくようなオレンジ混じりの金髪に、まん丸の虹色に輝く瞳を持ったキルア。
赤に黒メッシュの髪に、切れ長の赤の瞳を持ったエル。
『立って、話をしよう』
「残念だけど、彼らには早速屋敷の見守りをしてもらうんだ。全てが終わってからでもいいかい?」
クロエは寂しそうに眉を下げた。
『そうだね、ごめんなさい』
再び牢に戻ったクロエ。
最近、ひとりで訓練する時間が多くあった。
その反面、人との交流もない。
今はゲーテとシルバーが交代で番をしていてくれている。
シルバーとアキは長い間未解決だった任務を無事終えていた。
リオ達は学校生活を送りながらも怪しい動きがないか調べている。
そこまでしてもらって我が儘は言えないとクロエは日々精進していた。