太陽と月の後継者





一方、リオ達は闘技場に避難していた。

幸いなことに、死者は出なかったがそれでも重症者や怪我人は多くいる。

校舎のある方には今、上級魔法使い達が調査をしている為近づけない。

世界一安全な学園と呼ばれたミシェラードが襲撃されたとなると、国全体や隣国へも影響がある。

ビアンカは神妙な面持ちで座っていた。

「クレアはどうしたのかしら。」

「任務をしているんじゃないか?」

リオは耳の神経を集中させる。

“物騒ね”

“恐ろしい神官がくる”

“怖い”

“ウ"ァア!!”

悲痛な叫び声や恐怖ばかりの感情。

リオはその中で必死に情報を探した。

“クレア・フルームが天羽…だと”

“彼女は優秀だ”

“誰かの悪い嘘だわ”

“犯人が言うんだ”

“ということは、彼女は”

“クロエなのか”

はっと目を開けたリオを
ビアンカが心配そうに見つめる。

「汗だくよ…何が聞こえたの?」

「クレアの正体が…」

そこにはビアンカとヨウテス、リオしか居ないために話した。

「犯人からのメッセージカードにクレアが天羽だと書いてあった。」

小声で話すが、全員の額に汗が滲む。

「…何があっても、絶対に守り抜くぞ。」

ヨウテスの言葉に、リオとビアンカは強く頷いた。

「まずはクレアに会おう。きっともうここには居ないはずだから。」

「…それなら」

ビアンカは考えを巡らせる。

「妖精族の所へ行くわよ。」

3人は行動を開始した。