「私の名はヒルダ・ミケス。今日からこのクラスの担任になる。早速だが、貴様らの属性を調べさせてもらう。」

“ヒルダ・ミケス”と名乗る女は、五大魔法使いのうちの1人で、世界で最も名の知られている魔法使いのうちのひとりだ。

濃い紫色の髪は後ろで結い上げ、ワインレッドの瞳からは強い意志が感じ取れる。

言葉は乱暴だが、実際は面倒身もよく生徒からの信頼も厚い先生でもあった。

「ヒルダ先生!私達、自分の属性を知っているのですが。その場合も確かめるのですか?」

ひとつの質問の声が飛ぶ。

「あぁ、滅多にないことだが、途中で属性が変わる者もいるのだ。それに、まだフェリーチェを扱ったことのないものもいるらしいしな。」

そう言うと、ヒルダはフェリーチェの前に手を置いた。

すると、たちまちランプが真っ赤な光を放つ。

「このように、ランプに向けて少し魔力を送る。すると、光は白、炎は赤、水は青、風は黄色、地は緑、闇が紫という様に光る。

見てわかると思うが、私の属性は火だ。」