「ひょえーー。キッチンがなくてもここに住めちゃうよ。」
きっとここに住んだら退屈しないだろうな。
なんてのんきに見てると、
「なら一緒に住むか?」
「わっ?!」
探索に夢中でドアが開いたことにも、誰か
が部屋に入ってきたことにも気付かなかったようだ。
声がする方に恐る恐る振り向くと、そこには片口角だけを上げて悪戯に笑う男が立っていた。
「あっ..。」
私が着ていた着物を脱がせようとした人だ。
ということは、この部屋の主?
それにしてもやはり不思議な格好をしてる。
鎖骨が見えるところまでボタンが開いてる白シャツに少しゆったりとしたズボン。
気絶する前に見た光景の中にいた人達はこれにスーツまでとはいかないけどジャケットなどを羽織っていた。
まるで映画で見たような西洋風の服装だ。
「具合はどうだ?っとその前に、あんた片乳見えてんぞ。」
「え?片ち..ち..?」
考え事をしていたためすぐに理解できなかった言葉が、早口で言われたため余計理解できなかった。
それでも頭を回して考え、俯いて自分の胸元を見てみた。
「ぃぎゃーーーーー!!!」
「うるっ...せ」
片乳がでてるといっても、全部ポロリして大事な部分が見えてしまっているわけではなく、本当にギリギリのところで洋服が保たれていたのだ。
それでも普段誰にも見せない谷間を見られてしまった恥ずかしさで、腕で胸元を隠しながら体を屈めた。
「最低、最低、さいてー!」
恥ずかしさでいっぱいいっぱいの私は男に八つ当たり。
「なーんだ、誘われてんのかと思った。」
男はそれを気にする事もなく淡々と言った。
「なわけないでしょ!そ、それよりこの服は何?!」
起きた時から部屋に夢中で自分の格好など気にもしていなかったため、初めて見る洋服に益々戸惑った。
「どうだ?」

