『よっ!頑張ってる??』
学祭を明日に控えた今日。
俺たち4人はいつものように音楽室で練習をしていた。
そこに現れたのは村瀬だ。
「香織、俺ら今練習中」
みんな動かしていた手を止める。
「村瀬、俺らの邪魔しに来たのか?」
雅輝が村瀬を睨む。
『あんたらは愛想、ってものがつくづく欠けてるわね。
せっかく差し入れ持ってきたのに。』
村瀬が後ろに隠していたコンビニの袋を差し出した。
なんだかんだ言いながら、
やっぱりいいヤツなんだな、村瀬って。
「サンキュ」
俺は差し出された袋をもらう。
『でさ、その代わりと言っちゃなんだけど…
あんたらの曲、録音させてもいたいんだ。』
お茶のフタを開けたと同時にそんなことを言われた。
4人の手が止まる。
そして開けたお茶を袋に入れ直す。
うん、なかったことにしよう。


