「いいじゃん!
ホント、大樹はすげぇよ!
さっそく練習しよーぜ!!」
歌い終わると同時に弘斗が興奮気味に叫ぶ。
「今回の曲、いつもとなんか違うよな」
俊が俺の横に座って言った。
「そうか?いつも通りに書いたつもりなんだけど。」
「違うな、それは。
誰かに聞かせたい、って気持ちがよく現われてるよ、この曲には。」
と、俊が言う。
隣で聞いていた雅輝も頷く。
「じゃ、その聞かせたい人のために俺らも頑張るか。」
雅輝が立ち上がる。
「そうだな」
俊と雅輝も練習にとりかかった。
いいやつらばっかりだな、俺の周りは。
ただ俺がこの曲を書いた理由、バレてる。
俺って自分が思ってる以上に分かりやすいヤツなのか?
「じゃあこの曲は2曲目でいいか?」
ある程度の練習が進み、休憩をはさむ。
「1曲目は俺らの代表曲、ヒツゼン
2曲目は初恋
これでいいんだよな?」
雅輝が片手をあげる。
「初恋なんだけど、メインでお前が歌えよ」


