『あんた、なんで病院なんかにいたのよ?』
なぜか村瀬は険しい顔で、俺は何かやらかしたのかと思った。
「いや、それ俺のセリフだから」
注文したアイスコーヒーが運ばれてくる。
『いや、あたしのセリフだからね、完全に。』
険しかった顔が緩む村瀬。
なんだ?コイツ…
『あたしは、親戚の見舞い。
で、木村は??』
そう言った村瀬の顔がまた、険しくなる。
そしてなぜか、ストローをぎゅっと握りしめている。
「俺のことよりさ、お前…なんかあった??」
自分の話には触れてほしくなくて、俺は話を逸らす。
『いや…なんにもないけど。』
「だったら、どうしてそんな顔してるんだよ?
ずっと、眉間にシワ、寄ったままだぞ??」
ハッとした顔をして村瀬は自分の額に手を当てる。
どうやら無意識のうちに村瀬は額にシワを寄せていたようだ。
『別に関係ないじゃない、木村に。』
そう言って村瀬は伝票を持って立ち上がった。
「……そうだな。
でも…………」
無意識に村瀬の腕を掴む俺がいた。


