『じゃ、また明日!!

ばいばーい!!』

村瀬は手を振って病院のほうへ行った。


自分の部屋のカーテンを開ける。

初めてあの子を見て以来、悠香の姿を見ていない。


なんだろう…この気持ち


もう1度、俺はあの子の姿が見たいと思っている。


机の引き出しから封筒と便箋を取り出した。



俺はイスに座り、ボールペンを握る。



返事は書かないと決めたのに


俺の心が


『書け、書け』

と、うるさい。


便箋と見つめ合ったまま時間が流れる。


何を書けばいいのか分からなかった。



「兄ちゃん、入っていい??」

ドアの向こうから智樹の声が聞こえて俺は便箋をしまう。


「ん?どうした??」

智樹は俺の声に耳を傾けることなく、ギターに触れる。



「兄ちゃんの邪魔しないから、後ろで練習してていい?」

そんな言葉に俺は嬉しくなって智樹の髪の毛をくしゃくしゃにする。