「あ…ごめん。

俺、好きな子いるから…


でも、嬉しかったよ。

ありがとね」

俺は最後に普段は見せないような笑顔を向ける。



『そっか…こっちこそありがとね!』

女子は目に涙を浮かべながら去っていく。


毎回、あの顔をされるとこっちが申し訳なくなる。


『木村って好きな人いたの?!』

茂みから聞こえる声。


これは…村瀬だな。

やっぱりいたのか。


「お前ら盗み聴きとかタチ悪いよな」

俺は茂みに隠れている2人を睨む。



「あちゃぁ~

バレてたのか?」

イソイソと俺の前に出てきたのは案の定、弘斗と村瀬


「お前に至っては毎回だろ。

バレるもクソもあるか…」

俺ははぁ~と溜め息をつく。



『やっぱり木村ってモテるんだ。

さっき弘斗に聞いたけどもう告られるの20回目らしいじゃん??』

村瀬が深く頷きながら言う。


「おい、香織それは違うって。

今日の含めたら21回目」


思わず俺の手が弘斗の腹に行く。


コイツ…何言ってんだ。