「おい、香織
今日も一緒に帰るかぁ~??」
弘斗が帰り際、村瀬に声をかける。
『まあ方向一緒だし、帰ってあげるよ!』
村瀬がニヤニヤしながら俺らのあとについてくる。
「なぁ、なんでお前ら名前で呼び合ってんの?」
初めて逢ったときから弘斗と村瀬はお互いを名前で呼んでいた。
ずっと不思議だったんだが、なかなか聞けずにいた。
「あれ?言ってなかったっけ?」
弘斗は後ろにいる村瀬と目を合わせて
『「幼なじみだ!」』
と、言った。
幼なじみ……??
だからか。
だから2人は仲がいいんだな。
3年間の謎が解けた。
『………木村くん!!』
駐輪場に行くと、クラスの女子が俺の名前を呼んだ。
『あの…話があるの。
今、大丈夫??』
「あぁ分かった。」
と、俺は返事をして女子のほうへ歩いて行く。
「ちょっとそこで待っとけよ」
俺は弘斗と村瀬にそれだけ言う。
2人とも後ろでガヤガヤ煩かったが気にしなかった。


