骨になってしまった悠香は本当に小さかった。
跡形もなく、
どこに何があったのかよく分からない
俺は火葬場を出た
これ以上あそこにいるのは心苦しくて黙って外に出る
『木村!』
ガードレールに体を預けている俺のもとへ村瀬が来る
『これ、あんたに。
ユウ、きっとあんたに持っててほしいと思うから』
村瀬は真っ赤に泣き腫らした目で俺を真っ直ぐに見つめ、
顔の前に小瓶を差し出した。
『ユウ…それ、ユウだから
大切にしなさいよ』
村瀬は無理矢理俺の手に小瓶を握らせ、火葬場に戻って行った。
悠香…これは悠香の一部なのか
ぎゅっと小瓶を握りしめた
こうしているとなんだか悠香の手を握っているような気になれて…
こんなことを考える俺は、おかしいのかもしれない


