「大樹ってさ、ホント…頭悪ぃよな
勉強できるくせに、何にも分かってない。
ユウちゃんの心は…お前のここにあんだろ?」
弘斗は自分の胸を拳で軽く叩いてみせる。
俺は自分の胸に手を当てた。
悠香の魂は…心は…俺の中に…?
「香織はきっと、悔しんでるよ
突如現れたお前に大切な妹、キモチごと奪われちゃったんだから
ユウちゃんはお前の心の中でずっと生きてる
きっと香織よりも印象深く、
ユウちゃんの心に大樹は残ってる
お前の心にだって誰よりもユウちゃんが印象深く残ってるだろ?
出逢ってからすっげー短い期間だったのにさ」
確かに弘斗の言う通りだ。
出逢ってから本当に短かった。
多分、4ヶ月くらい
その間に様々なことがあった
初めて悠香を見た日
手紙のやり取り
初めて言葉を交わした日
どれだって鮮明に思い出せる
きっと、忘れられない
悠香との思い出は。


