一晩中、悠香の顔を見つめていた




気持ちよさそうに眠っている悠香は今にも



『大樹くん!』


と、俺の名前を嬉しそうに呼びそうで。



胸が苦しくて。

胸が締め付けられて。


込み上げる熱いモノを堪えることはできなかった。



俺がもっとしっかりしていればこうはならなかったかもしれない。



悠香を支えるには俺は力不足で。

2年あった悠香の寿命がこんなにも縮んでしまったのは俺のせいじゃないのか、


自分自身を責めずにはいられなかった。



心の中で何度も名前を呼ぶ



悠香!



悠香…っ!







「………ゆうかっっ!!!」



声を出さずにはいられなくて。





こんなにも好きだと、



こんなにも愛しいと、



そう感じたのは初めてだった。

そしてこれからも悠香以外にそう想うことはきっと、できない。