「バーカ

何18の男がボロボロ泣いてんだよ?」


弘斗は笑いながら俺の横に並ぶ

ふと、頬に手を当てると濡れていて。


あぁ…俺はまた、泣いていた




「ユウちゃん、きっと今のお前見たら幻滅するだろうな」


手の甲で涙を拭く俺に弘斗は言う



「格好悪いったらありゃしねぇ

なんだよ、お前
何…見てるんだよ?


これは夢なんかじゃねぇんだ
現実なんだから

どう曲げたって
どうひねったって
現実なんだから


目…背けてばっかりいても何も変わんねぇんだ

だったら背向けんなよ


前、見ろよ


悠香はもう、いない

もう…逢えない」



『逢えない』


この言葉が木霊する


悠香には逢えないんだ。




もう、笑いかけてくれない


もう、手を握りかえしては……くれない