「悪ぃ…大樹

勝手に使わせてもらった」


俺の肩に手を置いたのは弘斗だ。

でも俺は弘斗に答えることなく、走り出した



どうしてあの曲を流すんだ…


あんなの俺は許さない



どれくらい走ったのか分からない

でも気づくと目の前は病院で。


俺…戻って来ちゃってる



いつの間にか意識なんてしていないのに足はここへ向かっている

俺と悠香の唯一の想い出の場所


ここにしか俺と悠香の想い出はない。




始まったのもこの場所で




………終わったのもこの場所で



いや、終わってない


終わってなんかないんだ








「…………だいきっ!」