ジャージ姿のまま家を飛び出した

自転車に飛び乗って猛スピードで漕ぐ。



冬の早朝

肌に突き刺さる風



でも、なぜか俺は汗びっしょりで。

息づかいが荒くなる。


胸がバクバクして

目眩いがしそうだった。



村瀬の言葉



『ユウが死んじゃった』



信じられない

それなのに涙が溢れそうだった


泣いてしまったら
悠香の『死』を認めてるのと同じなのに。



だから俺は涙を堪えた。




悠香は…死んでない

……死んでるワケがない


だって昨日、気持ちよさそうに寝てたじゃないか


いつもと変わらず呼吸していたじゃないか



なのに、死ぬなんて…そんなワケ、ない。