『弘斗?……木村も??

あんたたち、学校は?』


扉の奥にはやっぱり村瀬がいて。

俺たちを見ると目を丸くして驚いた。



「ユウちゃんが心配でな。

で、様子は??」



『相変わらず。

食べ物にはまったく手、伸ばさないし水分すら取ってない』


村瀬がそんなことを言っている間に長瀬さんは点滴を交換する。



『ねぇ、弘斗
あのさ、売店で水買ってきてくれない?

あたしが喉乾いちゃった』


弘斗は分かった、と言って病室を出て行く。



『木村…あんた、昨日ユウに告白したんでしょ?』



「あぁ…」


村瀬のあまりに唐突な質問に俺はたじろく。



『あんた…前にあたしが話したこと、覚えてる?

そのこと覚えててユウに告白したの??』


俺は首を傾げる。

前に村瀬が話してたこと…?



『ユウの病気の話』


頭を鈍器で打たれたかと思った。

村瀬のその一言で俺の記憶は戻ってきた。



悠香の病気…胃癌。
しかも末期の。






余命は…もって、2年