『……おねえ…ちゃん…』
そのとき、話をしている俺たちの後ろからか細い声が聞こえて。
3人でベットを覗く。
『あ…弘斗くんも……』
うっすらと開けた目で弘斗を見つめる悠香。
口を動かすのも苦しそうで。
目を逸らしたかった。
『ユウ?木村が来てるよ…』
俺は悠香の前に顔を見せる。
「初めまして…じゃないか。
俺、木村大樹…大丈夫か?」
俺は一応自己紹介。
そうすると悠香はうっすらと開けた目を細めて笑う。
カサカサの頬にえくぼができて。
でもその笑顔もちょっと痛々しくて。
「大樹…くん…
来てくれて…ありが…とう…」
そのまま悠香はまた眠ってしまった。
俺の心の中には悠香の笑顔が残っていて。
初めて悠香を見たときのことを思いだした。