「こういうとき…何から言えばいいのか分かんねぇけど…

とりあえず、俺の質問から言っていい??」


悠香の顔を見つめていると弘斗が俺の肩を叩く。


耽りそうになる寸前で、
ギリギリ現実に戻ってくる。



「どうして大樹…ユウちゃんのこと、知ってるの?」


どうして…

と、聞かれても困る。


たまたま朝起きたら悠香と目が合って…


なんて言ってもお前らは信じちゃくれないだろ?



『木村…ユウとどんな関係??』


弘斗の質問の答えに困っていると今度は村瀬が聞いてくる。


またそれも困った質問だ。

どんな関係って言われても…



「文通…相手…??」


多分、他の人から見ればそういうことだろう。


俺の文通相手が悠香。

うん、きっとそうだ。




『あ…じゃあ前、ユウが大事そうに持ってたのはあんたからの手紙だったんだ…』



村瀬のそんな呟きが聞こえる。


大事そうに持ってた…?

悠香が…??



「大樹が隠してるのはユウちゃんからの手紙だったんだ…」


今度は弘斗のそんな呟きが聞こえて。


弘斗…そのへんはあんまり深く考えないでくれ。