「今日、同伴なんだって。
だからもう行った。」
「そっか。
お前のお母さんも大変なんだな。」
それは…なんとも言えねぇよ。
大好きな酒飲んで、それで金が手に入れられるんだ。
大変なんかじゃなくて、むしろ楽してる。
俺はそう思う。
「よし、できた。
春樹、智樹!!
皿運ぶの手伝って」
と、叫ぶと2人がやってくる。
そして自分の分の皿を持ってテーブルのほうへ行く。
「にしても、あの2人偉いよな。
まだ9歳だろ?
なのに家の手伝いちゃんとやるし…
俺が9歳のころなんて泥んこになって遊んでたのにさ。」
「分かってんだよ、アイツらも。
自分たちの家庭環境を。」
幼いながらに俺に気を遣って、なんでもしてくれる。
友だちと遊びたいのに、
早く家に帰って来て俺の手伝いをする。
本当なら、俺だって元気に遊んでいてほしい。
けど、俺1人じゃどうにでもできないんだ。
アイツらに迷惑かけて申し訳ない。
いつもそう思ってる。
ごめんな、春樹、智樹。


