「お前…あのあと、弘斗のあと追いかけたんじゃねぇの??」


ずっと、疑問だったことを俺は村瀬に聞く。


だって村瀬は弘斗を追いかけたはずなのに2人が付き合ったなんて話、聞いてない。

もし付き合ってるなら今の弘斗の行動は大問題なワケだし。



『あのあとって…学祭のときのこと??』


村瀬の質問に俺は頷く。

そうすると村瀬は俯き、溜め息をこぼした。



『そうだよ、追いかけた。

でも弘斗…どこにもいないんだ。


教室にも姿なくってさ、
バカみたいに学校中走り回ってたの。

んで、やっと見つけた。


なのにアイツ……』


村瀬が息を漏らす。



『弘斗、綺麗な女の人と歩いてた。

仲良さそうに。


さっきはあたしのこと好き、とか言ってたのに。

変わり身の速さには驚いた。


で、次の日から弘斗はあぁなっちゃったワケ。


意味分かんないでしょー??』



アハハと、枯れた笑い声で村瀬が笑う。


マジ何考えてんの?アイツ。



村瀬が可哀想だ。

弘斗…サイテー過ぎ