『今日、同伴なのよ。
あといつもより帰りが遅くなるかもしれないわ。
じゃ、行くわね』
母さんはそれだけ言って家を出て行った。
相変わらずの適当さ加減。
アホらしくて溜め息すらでない。
こんな生活…いつまで続ける気なんだろうか。
正直、こんな生活から逃げ出したい。
そう思ったことが何度もあった。
でも俺はそんなことができなくて。
春樹と智樹を置いて家を出るなんて俺には考えられなかった。
かと言って、ただの高校生が弟2人の面倒を1人で見きれるワケもなくて、
ひたすら堪えてきた。
なぁ…母さん。
俺たち3人って母さんにとってどんな存在なんだ?
もし、邪魔だと思ってるなら
どうして産んだんだよ?
どうして産んだのに世話してくれないんだよ?
なぁ…母さん。
答えてくれよ……


