社内恋愛発令中【完】

「あたしは何も。蒼井さんの背中見てただけです」



「双葉が背中を見ててくれなかったら、俺は前さえ見えなかったよ」



ありがとう、と今まで見たことのないくらいの優しい微笑みを浮かべるから、涙さえ浮かびそうになる。



「も、もうやめてくださいよ…」



「照れない照れない。さ、帰ろっか」



車に乗り込んだ蒼井さんの助手席に座り、シートベルトをした。



「シートベルトは?」



「しました!」



敬礼するあたしに、蒼井さんも人差し指を前に差し言う。



「じゃぁ出発!」



そうして車は、会社に向かって発進した。



___社内恋愛の発令している、あの会社へと___