社内恋愛発令中【完】

蒼井さんがあたしのことを考えてくれてなかったんじゃない。



あたしが自分しか見えてなかったんだ。



「ごめ…なさ…っ」



「もう黙って」



いつもより強引にキスをした蒼井さんからは、いつもより弱々しさを感じた。



不安なのはきっとあたしだけじゃない。



蒼井さんにも蒼井さんなりの葛藤がある。



それを分かっていなかったあたしは、まだまだ修行が足りない。



蒼井さんの彼女として過ごしていく修行が。



「それと、早く帰らせるのは双葉のためなんだけど」



唇を離した蒼井さんが、至近距離で言った。



「…え?」