「双葉!これコピーして、違う文章も作っておいて」



「はい!」



「双葉!電話鳴ってる!」



「は、はい!」



あの日から、あたしと蒼井さんは、めでたくお付き合いすることになった。



そして夏も過ぎ、秋も深まってきた今日この頃。



おかしいのだ。



何がって、蒼井さんは何もしてこない。



蒼井さんのことだから、仕事中に何か仕掛けてくると思ってたし、蒼井さん自身も言っていたはず。



それなのに、あの夏以降、何もされてないどころか、仕事が忙しくプライベートで会うこともない。



触れてないと言っても過言ではない。



こういう2人きりの時間を使って、何かしてくるのが蒼井さんなのに。