空には星が輝き、目の前に夜の海が広がる。



夢の舞台のよう。



だけど全て現実で。



夢みたいだと何度も思う。



「蒼井さん」



「ん?」



呼びかけると、蒼井さんが眉を上げて首をかしげる。



小さな仕草一つ一つが、蒼井さんのためにあるようだ。



「好きです」



唐突だったのか、蒼井さんは目を見開くと、やがて頭をかいた。



「急に言うなよ」



照れたように笑い、あたしを見る。