社内恋愛発令中【完】

「なあ、」



不意に蒼井さんが呟いた。



見上げると、水平線を見つめる蒼井さんがいた。



「俺が双葉の裸見ちゃったとき覚えてる?」



「わ、忘れられるわけないじゃないですか…!急にどうし「あの日、双葉がヤケ酒したわけじゃないんだよ」



一瞬何を言っているか分からなかったが、すぐに理解した。



あの日、ヤケ酒をして意識を飛ばしたと、蒼井さんが言っていたのを思い出す。



「たぶん双葉は夢だと思ってるんだろうけど、それは夢じゃない」



「…え?」



「口移しで酒を飲ませたのは、俺だよ」



蒼井さんの表情が、夕陽の影に見えなくなる。



どんな顔をしているのか分からない。