社内恋愛発令中【完】

流し目で笑いかけると、海の方へと歩いて行く。



太陽の赤みは、もう少しで沈もうとしていた。



「こんな場所、蒼井さん知ってたんですね」



波打ち際、クスリと笑ったあたしを蒼井さんが小突く。



「バカにすんな」



プッとあたしが吹き出すと、蒼井さんも溜め息をつきながら笑った。



どうしてだろう。



堪らなく幸せなのに、同時に堪らなく寂しくなるのは。



どうしてだろう。



手を握ってくれてるのに、蒼井さんが遠くに感じてしまうのは。



どうしてだろう。



太陽が涙でぼやけてしまう。