社内恋愛発令中【完】

言葉が出ない。



蒼井さんを見ることができない。



「本当はもっと早く帰らせるつもりだったんだけど」



"また明日"が聞こえてしまう。



「帰ってゆっくり休んで。じゃあ、また明日」



口を結んで返事をしないあたしを不審に思ったのか、蒼井さんがあたしの肩に触れる。



「双葉?」



優しい声だ。



温かい手だ。



蒼井さんをつくる全てが、今のあたしには切なく写ってしまう。



「なに泣いて…」



一生の別れではない。