社内恋愛発令中【完】

大人びていて、凛々しくて、真っ直ぐで、どこか寂しそうで。



どこを見ているのか、あたしには到底掴めそうにない。



「ここ右?」



「あ、そうです」



交差点を右折し、道路が少し広がる。



窓から夏の匂い。



この匂いは昔から何も変わってない。



友達と遊んだ帰り道の匂いだ。



どこか切ない。



「せっかく気分転換しに行ったのに、変なゲーム始まっちゃってごめんな」



夏の匂いに浸っていると、蒼井さんが呟いた。



あたしは勢いよく頭を振る。