社内恋愛発令中【完】

「蓮也の気持ち、何で断ったの?」



そのまましばらく中を回っていると、蒼井さんが急にそんなことを聞く。



ビクッと肩が上がった。



「な、何でって…蓮也さんのことは、尊敬してるというか、憧れというか…」



あたしの気持ちは蓮也さんに向いていなかった。



蒼井さんが好きだから、そう言えることができれば、きっと楽なのに。



「俺のことは?」



「そ、そそ、尊敬してますよ」



「じゃあ噛むなよ」



あたしを見下ろした蒼井さんが、呆れたように笑う。



それがいつもよりかっこよく見えて、つい目を逸らした。



「結構見て回ったけど、どうする?帰る?」